書評『残酷すぎる成功法則』(エリック・バーカー, 橘玲, 竹中てる実 著)
『残酷すぎる成功法則』(エリック・バーカー, 橘玲, 竹中てる実 著)
成功したい、少なくともより良い人生を送りたいと願うのは人の常というものです。法則というものを(あるのであれば)客観的にあぶり出そうという本。
以下、メモ。
- リーダーには2種類ある。正規のルートをへたリーダーとへていないリーダー。
- 自分のタイプを理解したら、自分にとって正しい環境をえらぶ。
- 下位にいる人はギバーで、上位にいる人もギバー。
- ストーリーが有意義であれば、人生にとっておおきな励みになる。
- 年齢を重ねても師を持つことは大切だ。
- 朝の時間に誰にも邪魔されない時間をつくる。To do リストを作るのではなく、全てを予定表に入れる。無理な予定は入らないから。
- 環境がとても大事。自分で決断していると思っても環境に影響されている。
本書を読んで、やはり環境はとても大事なんだということを再確認しました。人間はやはり環境に大きく影響されますので。
書評『知的生活の設計 ー「10年後の自分」を支える83の戦略』(堀 正岳 著)
『知的生活の設計 ―「10年後の自分」を支える83の戦略』(堀 正岳 著) KADOKAWA / 中経出版 2018
外界からの情報とどのように向き合い、それを咀嚼して生産につなげて行くか、文具や書斎、電子書籍などのハード面から日常の所作と言ったソフト面まで著者の実践法を詳細の解説。知的生活を2年、5年、10年と続けていくと相当な財産になるというお話です。
知的生活とは 、 SECTION 01で説明する通り 、私たちの情報との向き合い方です 。
知的生活とは 、新しい情報との出会いと刺激が単なる消費にとどまらず 、新しい知的生産につながっている場合だと考えるのです 。
以下、メモ。
- 知的な積み上げの結果を世界にフィードバックする。情報は見つかって初めて価値がある。
- 知的な積み上げの先に楽しみな未来があると考えるので、手堅い将来への時間の投資と言える。
- 気を付けなければならないことは、知的生活の積み上げの結果、「私はこれがわかる」というのではなく「私はこう見えるが、あなたはどうか」という態度でいること。
- 知的生活のために、可能であれば毎日2時間を当てること。
- ジョナサンコールトンの大いなるマンネリ。「週に一度必ず〜する」などアウトプットに過酷な制限をかけると、装飾する余裕がなくなりかえって自分の個性があぶり出される。
個人的には、知的な生活はあくまで新しい知的な生産につながっている必要があるという点が勉強になりました。知的な「消費」で終わっていた面がかなりあったと感じています。これは以前に以下の記事で書いたように、
artsci.hatenablog.jp
アウトプットの重要性を思い出させてくれます。
また、アウトプットに制限をかけるとかえって余分な贅肉が落ち自分らしいアウトプットとしての質が上がるとの箇所では、以前に読んだちきりんさんの本の生産性の上げ方と関連があると思いました。例えば労働時間を減らすという制限をかけるとかえって生産性が上がるという箇所です。
artsci.hatenablog.jp
書評「ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち」
『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』 ピョートル・フェリークス・グジバチ 著 大和書房 2018
外見で人や仕事を判断していた時代が終わり 、 「私たちはどのように働き 、生きるのか 」という大きな視点で見ても変化が必要な時代に入っているのです。
以下、メモ。
- 僕の成功の定義は 「持続的に成長していること 」です 。こうした人がニューエリート。これからの時代をリ ードする人は 、ポスト資本主義の世界の仕組みを作る人。
- フィードバックを「ありがとうございます」で終わらせてはもったいない。良かった場合は具体的に良かった所三ヶ所など。
- アウトプットが見えないまま会議をしない。必ず具体的なプランを持ち込み、意見を聞きながら結論を出す。
- コミュニケーション能力とは結果のみで判断。相手が行動に移したかどうか。シャイな人はシャイなままリーダーになれば良い。
- 自己効力感(self efficacy)を生み出すには、「達成経験」 「代理経験」 「言語的説得」 「想像的体験」の4つが基礎。
- マラソンではなくスプリントのペースで仕事をする。2、3ヶ月で結果を出す。結果を出す、休むの繰り返し。
- 怒りの感情が90秒以上続いている場合は、怒りに振り回されて思考が非論理的になっている。感情を客観視し、その感情が必要か考える。不要なら一旦その場を離れる。
- 人材の見極めは簡単。一緒に仕事をしてみてできるかできないかをみる。話し方とか声のトーンとか積極的か消極的かとか関係ない。
- 人が幸せに働くためには:1「自己認識」2「自己開示」3「自己表現」4「自己実現」5「自己効力感の向上」の5段回が必要。1と2の段階が圧倒的に足りない。相手に持ち帰れるギフトをあげる意識で質問すると相手に自己開示してもらえる。
より良く生きるためにGive & Takeを深く掘り下げる。
Give:
- あなたのパッション (情熱 )は何ですか ? (何に夢中なのか )
- あなたのビジョンは何ですか ? (どんな世界が見たいのか )
- あなたのミッションは何ですか ? (何がしたいか )
- あなたの野望はなんですか ? (どういうふうに 、いつまでやりたいのか )
- あなたのサポ ータ ーは誰ですか ? (応援 、支援してくれる方は ?
Take:
- あなたは仕事を通じて何を得たいのか ?
- どうしてそれを得ることが大切なのか ? ( 「なぜ 」と 3回問うて深めること )
- 何をもって 「いい仕事をした 」と言えるだろうか ?
- どうして今の仕事を選んだ (選んでいる )のか ?
- 去年の仕事は 、今年の仕事にどう繋がっているだろうか ?
- あなたの一番の強みは何だろう ?
- 周りの人は 、あなたをどう支援できるのか ?
書評「サピエンス全史(上)」
「サピエンス全史(上)」 ユヴァル・ノア・ハラリ 著 柴田裕之 訳 河出書房新社 2016
以下、内容に関するメモ。
第1章:
- たくさんいたホモ属。一万年唯一の人類であることに慣れ過ぎたホモ・サピエンス。ホモ属がたくさんいる世界は想像しにくい。火を使い始めた人類。それまでは身体に拠り所を求めていた。身体が強いものが強い。しかし、火があればひ弱な女性も森を焼き払うことができた。→ 身体から解き放たれた。
- 火を使い始めて、消化する時間が短くなり時間があまった。かつ腸の長さを短くでき、エネルギーもあまった。→ 脳を大きくできた。
第2章
-
ホモ・サピエンスがどのように集団を作れたか:噂話や陰口で誰が信用できるかを確立。しかしこの方法では150人規模の集団が限度。どうやって何万人もの都市を作ったか。それは共通の虚構や神話を信じることができたから。これを認知革命と呼ぶ。カトリック教徒は共通の宗教的神話を信じている。国家も。
第3章
- 狩猟民族の方が農耕民族より、健康的で長生きだった。農耕民族はいつも同じような物を食べ、食生活が偏り、飢饉がくれば大打撃。疫病が広まれば影響甚大だった。
- 狩猟民族は、色々な物を採取して食生活が多様。常に移動するため、疫病の影響もうけない。平均寿命と20年ほど違ったとのこと。
第5章
- 農業革命によって小麦を栽培するようになったのか?否、人間が小麦に家畜化されたのだ。せっせと世話の焼ける小麦の世話をしたが、個人レベルでは何も恩恵はなかった。狩猟民族の方が良い生活。ただ、種全体として人口を増やせた、繁殖を可能にした。
第9章
第10章
- 貨幣システム:貨幣システムのなかの靴職人は靴の値段さえ知っていれば済む。靴とリンゴの交換レートを暗記しておく必要はない。リンゴの栽培家もリンゴが欲しい靴職人を探す必要はない。貨幣なら皆が欲しがるから。相互信頼の制度。
第11章
- 一つの帝国が崩壊しても支配下にあった民族は独立できなかった。その空白は新しい帝国が進出してきて埋めた。帝国が共通の文化を積極的に広めた理由の一つに正当性を獲得することがあった。被征服者の方がなおさら大きな恩恵を受けると正当化した。→ 宗教の布教。アメリカの第三世界に民主主義と人権の恩恵をもたらそうとする。
書評「メモの魔力」
「メモの魔力」 前田 裕二 著 すばる舎 2018
子供時代に色々とご苦労をされてきた著者のメモに関する熱い本。メモとは生きる姿勢だ!巻末に100の質問があり、自分を深く抽象化して見つめ直すことができます。
メモの目的:「過去のファクトを思い出す」という余計なことに時間を割かないためにメモをとる。知的生産の向上のためにメモをとる。
以下、内容に関するメモ。
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その場で情報を構造化し、どのフォルダに入れてやるか明確にしてあげる。
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左ページにファクト 右側半分に抽象化と転用
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抽象化とはwhatとhow, why で考える。「他の分野にも応用可能な気付きがないか」と考えると浮かびやすい。
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◎(ファクト)◉(抽象化ずみ)★(転用)でノート上で区別
- 4色ボールペンで判断する能力を上げる。「主観か客観か」「重要度」の2つで判断。黒はファクト、緑は主観、青は重要、赤は最重要。
書評「習慣が10割」
「習慣が10割」 吉井 雅之 著 すばる舎 2018
人に能力の差はなし 。あるのは 、「習慣の差 」だけである !
以下、内容に関するメモ。
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刷り込みは自分自身でもできる。
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自分で決める。自分と約束する。
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必要なことはすぐできるようにし、そうでないものは近づかないようにする。
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人間は弱い生き物。ハードルはできるだけ下げ、継続できたという実績を作ること。
- 習慣の種類:
受信習慣 (どうインプットするか )五感からの情報を知る 、聞く 、感じる 、見る
言語習慣 (どう言語化するか )インプットから得たイメ ージを言語に置き換える
思考習慣 (どう考えるか )言語をもとに考える
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脳は入力より出力を信じる。出力を変えてみる。
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マイナスの感情がある時 → 脳のクリアリングをする。
「今日の良かった点」「今日の改善点」「翌日の対策と決意」を書く。
書評「自分の時間を取り戻そう」:ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方
「自分の時間を取り戻そう」:ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方 ちきりん著 ダイヤモンド社 2016
自分自身これまでいかに生産性を考えてこなかったかがよくわかりました。人間はまず労働時間を減らさないと本気でどのように効率を上げるべきか考えられない。
これこらは、高生産性社会へとシフトしていく。生産性をあげることで、単なる生活の質の向上のみならず、いかに次の時代を生き抜くべきかの指針が見えてくる。
以下、内容に関するメモ。
- 生産性とは?:価値を得るために投入される希少資源と得られた価値の比率。生産性という視点からみることで、(1)さっさと仕事をすませ、効率のいい生活を送るだけでなく、(2)今後の進むべき正しい道が見える。
- 生産性 = アウトプット / インプット = 得られた成果 / 投入した希少資源
インプットを増やして、アウトプットを増やすやり方ではいずれ限界がくる。ブラック企業。
- 人間の代わりに機械を投入して圧倒的に生産性が上がる仕事から淘汰される。
- 時間を見える化:時給を高く売る。→ 生産性が上がる。
- 学習曲線を意識 さらに時間を投入すべき分野か判断。
やはり時間はとても希少な価値のある資源なのですね。